衛星設計コンテストの詳細についてはコンテストのサイトを参照ください．ここでは，我々の研究室や衛星工房の学生の衛星設計コンテストに関する活動について紹介します．

衛星設計コンテストは主に設計部門とアイデア部門に分かれており，設計部門では50cm立方，50kg級の相乗り衛星の設計を競います．また，アイデア部門には特に条件はなく，宇宙を利用して何かをするアイデアを競います．ただし，そうはいっても，設計内容もしっかり審査されるのがここ最近の傾向です．

我々の研究室では，元々，宇宙工学や設計について学び，ゆくゆくは衛星を開発することを目指して，衛星設計コンテストに応募していましたが，実際にSEEDSやSEEDS-II，SPROUTの開発を本格的にやるようになり，コンテストには応募しなくなりました． 机の上での設計よりも，本物の開発を，という方向に流れたということです．本来は，コンテストで理論を勉強しつつ，本物の衛星を開発するのが理想的ですが，50kg級衛星と数kg級衛星とでは，設計内容はかなり違う傾向にありますし，時間の制約もあって，本物の衛星の開発に注力していったというのが実際のところです．

ただ，実際に宇宙機について学ぶのであれば，理論を理解し，計算ができるようになるべきですし，50kg級衛星もどんどん打ち上がるようになってきて，これから，ますます，利用が広がっていくと考えられますので，コンテストを利用して50kg級衛星の設計法を勉強しておくことは，将来にとても役立つと思います．その際，教科書的な設計ではなく，実際のコンポーネントや基板，配線，オンボードソフトウェアも含めて，より実機に近い設計をすることで，卒業後に何等かの製品の設計・開発に携わるようになった時に役立てることができると考えています．

そういったことから，最近では，衛星工房の3年生以下がコンテストを目指すようになってきています．2013年度には，当時の3年生が設計部門に応募し，日本天文学会賞を受賞しています（右図）．今後も，3年生で設計部門に出場する学生が増えてくる気がしています．ただし，3年生で衛星設計をきちんとやることは容易なことではなく，我々の学科でいえば，少なくとも「宇宙機設計」の授業を内容程度をまずは理解し，各種ソフトを使いこなしつつ，より専門的な知識については先輩に教えを乞いつつ，設計を進めていくのがよいかと考えています．

なお，研究室および衛星工房における過去のコンテストでの成績は以下の通りです．