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2010/05/31

新型ロケットエンジン LE-X開発の第一歩 −エンジンサイクル計算−

LE-X

現在、H-IIA/Bロケットに使用されているLE-7Aエンジンの次世代型としてLE-Xエンジンの研究開発が進められています。現在のロケットエンジンの性能をそのままに、さらに信頼性向上とコスト低減を目指したロケットエンジンを目指しています。情報・計算工学センターでは、ロケットエンジン開発を行っている宇宙輸送ミッション本部 と共に、新型エンジン開発に向けた様々なコンピュータシミュレーション技術の研究・開発を行っています。今回はその中でも最も初期に実施されるエンジンサイクル計算に関して紹介します。

新型エンジンの基礎を固める

配管の塊に見えるロケットエンジンですが、エンジン内部の各部分の温度・圧力がどのようになるのか、は前もって正確に計算されています。特に新型エンジン開発の際には各部品の強度をどのようにすれば良いのか、どのような性能を出せば良いのか、などさまざまな検討を実施するためにエンジン内の各部分の圧力・温度のバランスを予測する「エンジンサイクル計算」が活用されます。いわばエンジン設計の基礎となり、かつ全ての部品設計に影響する非常に重要な計算です。

配管を数学モデルに置き換えて計算

ロケットエンジン内部の各箇所の状況を一覧表示

サイクル計算で各パーツの性能が確認されると、それにしたがって各部品の設計開発が進められエンジンとしてまとまっていきます。情報・計算工学センターでは、その過程でJAXAが所有する スーパーコンピュータJSS (JAXA Supercomputer System)を活用した世界最先端の数値解析を実施しており、高性能ロケットエンジン開発の効率化と高信頼性化に貢献しています。

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