
航空・宇宙機の国際規格(ISO:International Organization for Standardization)は、主に ISO/TC20 (TC:Technical Committee)で審議し、制定等を実施しています。
また、TC20の組織の一部であるSC13 (SC:Sub Committee)において、CCSDSで検討し推奨規格化された文書の中からISO標準として国際的に広く採用されることが適当と判断されたものを選定し、国際規格としています。なお、TC20は以下の構成図で組織されています。

概要 | |
Pメンバー | 投票のために提出される全ての事案、DIS、FDISに対する投票の義務を負い、業務に積極的に参加し、会議に参加するメンバーをいい、下記の国で構成されています。 ブラジル、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、ロシア、ウクライナ、英国、米国 |
Oメンバー | 文書の配布を受け、コメントの提出と出席する資格のある業務に対して積極的に会議に参加するメンバーをいい、下記の国で構成されています。 アルゼンチン、ベルギー、チェコ、イラン、カザフスタン、韓国、ルクセンブルク、オランダ、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、スウェーデン |

その技術審査結果は、当該分科会よりSC13国際規格検討委員会に報告され、SC13国際規格検討委員会により、その内容の総合的な判断が審議され、我が国として方策が決定されます。

00:予備段階(PWI:Preliminary work item)
予備段階とは、作業を進めるのには、まだ時期が早いプロジェクト段階をいいます。
また、作成段階の前にNP投票で承認される必要があります。
01:提案段階(NP:New proposal for a work item)
提案段階とは、NP(新業務項目提案)がPメンバーに回付される段階をいいます。
また、提案段階はプロジェクトが業務項目に加えられた時点で終了となります。
<承認要件>
a)投票したPメンバーの単純過半数による承認。かつ、
b)5つのPメンバーが作業に積極的に参加することを表明すること。(エキスパート登録)
20:作成段階(WD:Working draft)
作成段階とは、WD(作業原案)の検討を行う段階をいいます。
ISO/IEC Directives Part2に合わせたWDを作成し、必要に応じてWGを設置します。
また、作成段階は、第一次CDをISO/CSに登録した段階で終了となります。
30:委員会段階(CD:Committee draft)
委員会段階とは、CD(委員会原案)の検討を行う段階をいいます。
第一次CDの回付を行い、最終WDを投票Pメンバーの単純過半数の承認で発行します。
また、CDをP及びOメンバーに回付します。
最終CDは、投票Pメンバーの3分の2の承認で、TSとして発行することになります。
なお、委員会段階は、DISとしてISO/CSに登録された時点で終了となります。
40:照会段階(DIS:Draft International Standard)
照会段階とは、DIS(国際規格原案)の回付を行う段階をいいます。
また、DISをISO/CSが全メンバーに回付します。
<承認条件>
a)投票したPメンバーの3分の2以上の賛成。かつ、
b)反対が投票総数の4分の1以下となること。
※反対票が投じられなかった場合は、FDIS投票を経ずに発行できる。
※第2次DIS投票:2ヶ月(+1ヶ月の延長可)又は5ヶ月(重要な技術的変更を伴う場合)
50:承認段階(FDIS:Final draft International Standard)
承認段階とは、FDIS(最終国際規格原案)の回付を行う段階をいいます。
また、FDISをISO/CSが全メンバーに回付します。
<承認条件>
a)投票したPメンバーの3分の2以上の賛成。かつ、
b)反対が投票総数の4分の1以下となること。
60:発行段階(IS:International Standard)
発行段階とは、国際規格の発行を行う段階をいいます。
また、発行段階は、国際規格が発行された時点で終了となります。
90:見直し段階
見直し段階とは、国際規格類の見直しを行う段階をいいます。
初回のSR(Systematic Review)投票は、規格発行の3年後に行われ、
その後のSR投票は全て特別な変更がない限り、
前回のSR投票終了の5年後に行われます。
また、投票の対象となるのは、国際規格(IS)、技術仕様書(TS)、公開仕様書(PAS)となっています。
<承認条件>
Pメンバーの単純過半数となること。