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情報技術の研究開発

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高信頼性リアルタイムOS (TOPPERS/HRPカーネルとSafetyカーネル)

宇宙機ソフトウェアの大規模化、高機能化に伴い、基本ソフトウェアである「リアルタイムOS(Real Time Operating System:RTOS)」についても、その重要性が増しています。RTOSの高信頼化は、宇宙機だけでなく、信頼性が重視されるすべてのソフトウェアに共通する緊急の課題でありながら、ソフトウェア業界の取り組みは、まだ活発でないのが現状です。

その取り組みの一つとして、当チームでは、ソフトウェア業界にさきがけて、RTOSの検証方法に関する研究を行い、その検証方法を適用して、高信頼性RTOS、TOPPERS/HRPカーネルとSafetyカーネルを開発しました。TOPPERS/HRPカーネルには、名古屋大学との共同研究の成果を利用しています。

検証方法の研究では、まず、宇宙機以外(たとえば、航空機、鉄道、医療機器など)にも対象を広げ、ソフトウェア開発標準やガイドラインを調査し、ソフトウェアの検証要求にはどのようなものがあるのかを整理し、RTOSに特化した検証要求をまとめました。次に、この検証要求を満足させるテストの進め方を検討し、仕様や機能を漏れなく検証する考え方(網羅テスト)と、問題が発生しそうなところを抑えていく考え方(ピンポイントテスト)を上手く組み合わせたプロセスを考案しました。

TOPPERS/HRPカーネルとSafetyカーネルは、ひとつのソフトウェアに障害があっても、ほかのソフトウェアに影響が波及しないようにする仕組みを持つなど、宇宙機システム全体の信頼性向上に寄与できる機能を持っています。この国産RTOSは、H-IIAロケットやH-IIBロケットの搭載コンピュータに採用されました(2012年7月21日初フライト)。

高信頼性RTOS利用案内

当チームでは、TOPPERS/HRPカーネルとSafetyカーネルのユーザサポートサービスを提供しています。登録ユーザは、専用ホームページから最新情報を入手したり、技術サポート窓口を通じて使い方や検証内容について問い合わせたりすることができます。

⇒高信頼性RTOSのホームページ

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