実験と測定器開発
実験や測定器開発はその発案から完了まで数年〜10年程度かかるものもあります。また、ロケット観測など大規模な実験計画の場合は、日本国内だけでなく、海外の研究グループとも協力して実施します。2004年度では以下の研究が進行中です。
- 「オーロラ擾乱時の極域下部熱圏ロケット観測計画(DELTAキャンペーン)」
オーロラ活動に伴う極域下部熱圏大気の応答を、観測ロケットによる in situ 観測・EISCATレーダーによる電波観測・地上のFabry-Perot干渉計による光学観測という3つの手法を組み合わせることで総合的に解明しようという世界初の試みです。日本とノルウェーを中心とする国際協同観測キャンペーンを展開する予定です。
- 「電離圏D領域観測用質量分析計の開発および室内シミュレーション実験」
高度50-90kmのイオン化学反応はほとんど解明されていません。比較的に濃い大気でも動作し、なおかつ正負イオンが測定可能な質量分析計を開発して、ロケット観測を行なう必要があります。昨年度は、室内でのD領域シミュレーション実験で正イオンの検出に成功しました。今後は負イオンをターゲットとした実験を進める予定です。
- 「電子温度測定の信頼性に関する室内実験」
観測ロケットの近くでは、ロケットそのものの擾乱を受けて、電子温度が正しく測定されない可能性があります。相模原キャンパスにある大型チェンバー(直径2-3m)を用いて、ロケット近傍での電子のふるまいを研究しています。また、新しい測定原理による電子エネルギー分布測定器の開発を行っています。
- 「金星探査機搭載用非冷却ボロメータの性能評価実験」
金星探査機PLANET-Cに搭載予定の非冷却ボロメータカメラは、金星大気の高度45〜70kmに広がる雲層上端からの中間赤外放射を測定します。これによって雲の水平構造と大気循環場を導出することが可能になります。現在、市販品を用いた性能評価実験を行なっており、今後はその結果を踏まえて試作品の環境試験を行なう予定です。