
宇宙最先端を支える、「枯れた」地上技術
2025/10/012025/10/01
施設部 射場施設課
長谷川 秀
- 入社: 2024年度
- 出身:工学部 建築学科
- 大学での研究テーマ: 高速道路SA高品位トイレにおける適正換気量に関する研究
- 前職の業種:ゼネコン設備職(6年4か月)

JAXAを目指したきっかけ
前職で建築設備施工管理・設計監理の業務を行っていた中で、より守備範囲の広い建築職でかつ、唯一無二の仕事をしたいと考えるようになりました。そこで目に留まったのがJAXA施設部です。最先端を行くロケット等宇宙開発関連・航空開発関連の業務の支えとなっている建築物・土木構造物等の施設を整備・維持管理する責任の重さと、同時に災害強靭化や省エネルギー化等、前に進み続ける姿勢に惹かれ入構しました。

現在の業務内容
世界一美しいロケット発射場である種子島宇宙センターや、日本初の人工衛星を打ち上げた内之浦宇宙空間観測所等を所管する射場施設課で、建築物等の整備・施設保全業務を行っています。
整備業務としては、衛星関連の施設の新築工事の監理や発電所施設の企画・設計業務、その他老朽化施設の建替計画を立案しています。施設保全業務としては、建築物等の維持管理・補修工事サイクルの検討や不具合発生時の対応、ロケット打上に際しての維持管理状況の取りまとめや、発電所の運転時間調整等を行っています。
いずれの業務も、限られた予算と時間の中でどれだけ必要十分 な作業ができるか、緊張感があふれるものの、創意工夫が求められるやりがいがある仕事です。
前職経験が活きた場面
特に整備業務では、ロケットの打上げスケジュールに影響が出ないよう、打上げ作業と工事との間での工程調整を行います。その際、前職で得た経験より、工事側で妥協できる工程・できない工程の匙加減が出来ることで、円滑に工程調整を進められています。もちろん、工事側だけではなく、打上げ作業側に調整してもらうように交渉する技も、前職で得た経験の1つです。
前職とのギャップ
想像が出来ていたことですが、前職ではほぼ新築や、改修をする建物ばかり触れていたため、古い建物をそのまま維持して使う保全業務に、大きなギャップを感じています。ステンレスや溶融亜鉛メッキでも錆びて朽ちてしまうことに驚きつつ、最低限の補修をして、使い続けられるよう検討していくことに面白みを感じています。
今後の目標
公共インフラの老朽化が叫ばれていますが、JAXA施設も例外ではありません。ただ、全てを順番に建て替えるのではなく、いかに機能を集約して保全対象を 少なくしていくことが、維持管理 、また、レジリエンス向上、更には、メンテナンスコスト削減において、重要なこととなってきます。
そして、最先端を行く宇宙開発・航空開発を支える成熟した技術、つまり「枯れた地上技術」を用いた施設を計画し、ゆくゆくは、そのノウハウを月や火星の宇宙建築に反映させ、社会に貢献していきたいです。
施設を目指す皆さんへのメッセージ
建築・土木はどの業界でもどの仕事でも切っても切れない分野で、どこでも泥臭い仕事です。それは、宇宙も空も同じで、私たち施設部無しでは、宇宙開発も航空開発もできません。宇宙や航空とは異なった専門分野から、宇宙開発・航空開発を、ぜひ、私たちと一緒に支えていきましょう!
