18
せっかくなら宇宙がいい異業種から宇宙へ
鈴木 岳
2021年入構
農学研究科修了
宇宙戦略基金事業部 企画推進課/
新事業促進部 事業支援課(併任)
REASON入構の理由
異業種から宇宙業界へ
大学院では水環境保全に関する研究をおこない、卒業後は官公庁向けのインフラ施設の設計・建設・運用を生業とする総合エンジニアリングメーカーに入構し、約7年間営業職として勤めました。大変やりがいのある仕事ではあったものの、“1度の人生、新しいことに挑戦したい”欲が年々強くなり、キャリアチェンジを検討していました。 せっかくなら全くの異業種に、という想いから参加した「JAXAシンポジウム2018」で、これからの宇宙業界ではさらなる多様な人材・技術領域が求められていることを知りました。 宇宙ビジネスに元々興味は持っていたものの、限られた人にしか開かれていない分野という認識であった自分にとって、とても衝撃を受けたことを今でも覚えています。私でも宇宙分野にチャレンジできるかも、と思うようになったきっかけでもあります。
JAXAは尖った技術の研究開発を先導するプレイヤーとしての役割もありますが、JAXAの知見を活用してプレイヤーを育て、宇宙産業の裾野を拡大していくサポーターとしての役割も担っています。 もともと営業マンでもあったことから、宇宙分野の魅力・可能性を広げていくような後者のサポーターの部分で貢献したい思いが強く、JAXAに応募することに決めました。
なお、JAXAには新卒採用に既卒枠というものがあり、大学・大学院卒業後7年目までが新卒採用の対象となっています。ギリギリの7年目に気づくことができたのは運が良かったです。まさか人生で2回新卒入構するとは思いませんでしたが(笑)。
WORKわたしの仕事
宇宙産業の裾野を広げる2つの業務
宇宙科学研究所での勤務を経て、入構3年目に新事業促進部 事業支援課に異動になり、輸送・超小型衛星ミッション拡充プログラム(JAXA-SMASH)の取りまとめを担当することになりました。JAXA-SMASHとは、JAXA、民間企業、大学が三位一体となって小型衛星を開発し、将来の事業化等を見据えた革新的技術を実証する研究開発プログラムです。開発した衛星は国内の民間小型飛翔機会(ロケット)を活用して打ち上げるため、アンカーテナンシーによる企業の育成にもつながる、一石二鳥のプログラムだと言えます。
翌年には宇宙戦略基金事業部企画推進課に異動となりました(新事業促進部には併任という形で引き続き所属)。 宇宙戦略基金事業とは、産学官の結節点として、宇宙開発の中核機関であるJAXAに設置した基金を活用し、民間企業・大学等が複数年度(最大10年間)にわたって大胆に研究開発に取り組めるよう支援を行うものです。私は、JAXA-SMASHでの経験を活かし基金事業における打上げ調達の調整支援などの業務を主に担当しています。
技術的な視点など幅広い知見が求められるため、苦労も多いですが、宇宙産業の裾野拡大に直接貢献できることに日々やりがいを感じています。
FUTURE将来の想い
バックグラウンドよりも大切なこと
直近の目標は、宇宙戦略基金事業を確実に推進させること、JAXA-SMASHでの衛星開発を着実に進めることです。宇宙戦略基金事業はまさに現在、技術開発テーマの公募の真っただ中ですが、公募を経て採択案件が決まってからが本番です。円滑に事業が推進するよう多方面から準備を進めているところです。
JAXA-SMAHにおいては、記念すべき1号機が次年度打上げを控えており、衛星開発も佳境です。まだまだ検討事項は多くありますが、着実に衛星開発が進むよう事務局の立場から全力でサポートしていきます。
JAXAにはバックグランドが宇宙関連ではない方も多く所属しており、それぞれの専門性や知見を共有・集約しながらチーム一丸で仕事に臨んでいます。民間企業や異業種・異分野出身者だからこそ気づく課題や新たに思いつくアイデアがあるはずです。宇宙をあらゆる分野の集合体と捉え、自身のバックグランドに固執することなく“JAXAでどんなことをやりたいか、宇宙航空分野をどうしていきたいか”の想いを大切に、多様な人材が集まる組織になっていけると良いな、と思っています。
CAREER PATHキャリアパス
入構してからこれまでのキャリア
-
1st year
宇宙科学研究所 科学推進部に配属
大学連携調整、人材育成や産業振興に関わる業務を担当。幼少期よりロマンを抱いていた宇宙科学の世界を間近で知ることができた貴重な期間となった。
-
3rd year
新事業促進部 事業支援課に配属
輸送・超小型衛星ミッション拡充プログラム(JAXA-SMASH)の取りまとめを担当。
-
4th year
宇宙戦略基金事業部 企画推進課(現職)
打上げ調達の調整支援などの業務を主に担当。新事業促進部も併任し、JAXA-SMASHの関連業務も継続して担っている。
THE OTHER SIDE OF THE MOON私の一面
学生時代と比べると頻度は落ちてしまいましたが、大学時代の友人等とサッカーやフットサルをします。音楽鑑賞も好きです。コロナが明けて、好きな海外アーティストの来日公演が増えてきたので嬉しいです。友人と外食に出かける時間もいいリフレッシュになっています。