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技術研究と育児の狭間でしなやかに時代を切り拓く
大久保 梨思子
2013年入社
コンピュータ・サイエンス専攻修了
研究開発部門 第三研究ユニット
REASON入社の理由

他者と異なる経験や歩みを糧に
大学卒業後エレクトロニクス関連の企業に就職しましたが、「より新たな市場が拡がる産業で、日本の発展に貢献したい」という思いを抱くようになり、宇宙分野を視野に入れ始めました。学びを深めるため大学の研究室に戻り、音声信号処理の研究に熱心に取り組みました。途中休学して結婚や出産というライフイベントも経験しました。
再度就職活動に臨んだ時、子供は2歳。正直、育児中であることが求職に不利と感じる時もありました。しかし、JAXAではほとんど気にする雰囲気が見られませんでした。宇宙を相手に、日常的に想定外のことが起こるJAXAでは、採用対象者が育児中でもどうということはなかったのかもしれません(笑)。他の応募者と異なる経歴や歩みがあったとしても、仕事への思いや、様々な経験が良い糧になっていることなどをきちんと評価してくれる組織だと思います。
WORKわたしの仕事

安全性・信頼性が最重要の宇宙開発
現在所属する「第三研究ユニット」は、情報工学や計算工学を生かし、宇宙機の設計効率や信頼性の向上を目指す組織です。私自身は、衛星やロケットに搭載されるソフトウェアの信頼性を向上させるため、ソフトウェア検証技術や故障解析技術の研究開発を担っています。一般に流通するソフトウェアの中には、多少の問題が残っていても素早くリリースすることが大事な製品もあります。宇宙が舞台となる衛星やロケットでは、ソフトウェアに懸念が残ったままでは大きな事故につながるおそれがあります。そのため、運用開始前に徹底的に信頼性や安全性を確保することが重要なのです。
極限状態で動き続けるソフトウェア。これに対する長年の経験や技術開発のためのリソース、技術適用の場などを有するのは、国内でも限られた組織のみです。大変挑戦しがいのある仕事です。
私達が扱うソフトウェアの安全性や信頼性に対する知見、検証実績がある組織は国内外見渡しても数が少ないのが事実です。私達の考えや技術が果たして適切なものなのか、日々自問自答をしています。JAXAの考えを講演等でお話しする機会に、参加者の中から「とても洗練されている、感銘を受けた」と言っていただけるのはありがたく、最先端の研究を行っている組織としての自負と、認知・期待してもらえていることを実感します。
海外に目を向けると、宇宙機関には同業の女性研究員が多くいます。学会などの交流の場で仕事の難しさや育児・家事といった、女子会さながらプライベートの悩みも分かち合っています。
FUTURE将来の想い

型に捉われない「らしさ」の追究
この先20~30年後には、宇宙利用や宇宙輸送がもっと大きな産業になってほしいという願いは変わりません。私自身において、今は日々の仕事と家庭を両立させることに精一杯ですが、その時周りが求めていることに応えられ、「また一緒に仕事をしたい」と思ってもらえるようになることが目標です。いずれは、現在の仕事に関わる内容で博士号の取得に挑戦します(社内には博士号の取得をバックアップする仕組みや文化がありますよ)。
JAXAの同僚達は天才、秀才、変わり者、様々な人がいます。思いもよらない発想をする人、驚くような技術を持っている人、等々。飽きることはありませんし、学ぶことが沢山あり楽しいです。でも適当な仕事をしていると、頭の回転の鋭い人たちにすぐに見破られてしまいます!
私自身は、技術や課題をゆっくりでも深く理解し、その技術の裏にある理論や哲学も理解し整理するよう努めています。JAXAに入って、成長できたところかなと自覚しています。
CAREER PATHキャリアパス
入社してからこれまでのキャリア
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1st year
情報・計算工学センターに配属 ソフトウェア独立検証(IV&V)に従事。
2015年に研究開発部門に移管され、第三研究ユニットとなる。
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4th year
大学の非常勤講師を並行で開始
仕事内容に関する講義を提供している。今はその卒業生の方と一緒に仕事ができていることが喜び。
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6th year
ソフトウェア独立検証の経験を活かした故障解析技術や機械学習を取り入れた研究を開始

THE OTHER SIDE OF THE MOON私の一面
「人は焼肉で癒せない程の傷を負うべきではない」という名言を最近知りまして、その通りだなと。カセットコンロに取り付けられる焼き肉プレートを買ったので、理想の自宅焼き肉を追求することがストレス解消になっています。