「法律」の知識をもって最前線を走る人びとを支え共に歩む
石山 璃子
2021年入構
法学部 政治学科卒
有人宇宙技術部門 事業推進部
REASON入構の理由
セミナーで偶然出会った宇宙開発の道
大学の授業の一環で聴講したセミナーで、宇宙法研究の第一人者の先生の講演をたまたま聞いたことがきっかけで宇宙に関心を持ちました。国際政治を専攻していたので、卒業論文のテーマにはアメリカと中国の宇宙政策を選びました。
セミナーに参加するまでは、宇宙といえば、高校生の頃に授業で見た小惑星探査機「はやぶさ」のドキュメンタリー映像にワクワクした覚えはあったものの、理科は小学生の頃から苦手でしたし、文系の私にはあまり関係がない分野だと思っていました。ところが「宇宙の平和利用」というテーマと出会ったことで、私も国際法や国際政治の立場から宇宙開発に携われるのではないかと思い、JAXAに応募しました。
WORKわたしの仕事
一番のやりがいは感謝の言葉
最初は総務部総務課に配属され、国会議員や省庁との調整、また、寄附金の窓口を担当しました。高校時代に政治家の仕事を体験する議員インターンシップに参加したことがあり、大学は政治学科だったので、政治に多少は馴染みがありました。とはいえ、学生の頃と同じようにはいかず、上司や先輩から国会や省庁のルールや豆知識を教わりながら業務にあたりました。
特に印象に残っているのは、宇宙飛行士の表敬訪問の調整です。宇宙飛行士が打上げの前や帰還後に訓練の合間を縫って日本に帰国している短い期間に、首相や大臣などを訪問します。その期間と国会の会期が重なってしまうと、なかなか日程が合わずに調整に苦労しました。無事に表敬訪問が終わって、その様子がニュースに取り上げられているのを見たときはやりがいを感じました。
有人宇宙飛行にかかわる仕事もやってみたいと思い、希望を出したところ、有人宇宙技術部門 事業推進部に配属されました。現在は有人宇宙技術部門の法務を担当しています。協定や契約を締結する際に、文書の案文を作成あるいは同僚が作成した文書をレビューしています。こうした協定や契約にかかわる法律のことはほとんど知らなかったので、一から勉強しました。海外の宇宙機関が実施する訓練に、宇宙飛行士が参加する際の契約も担当しました。訓練の様子を写真で見たときや宇宙飛行士の方から感謝の言葉をいただいたときは、頑張ってよかったなと思えました。
また、宇宙探査や利用の基本原則を定めた「アルテミス合意」の内容を締約国間でより具体化させる活動や宇宙資源の利用の仕方を検討する国連のワーキンググループの対応にも宇宙開発の実施機関として日本政府を支援する形で携わっています。様々なプロジェクトや研究などに法務の立場からかかわりながら、学生時代から興味があった国際的なルールづくりにも携わることができるのが嬉しいです。
FUTURE将来の想い
たくさんの応援と期待に応えたい
H3ロケット試験機1号機の打上げは私を成長させてくれた出来事のひとつです。当時は総務部で国会や省庁対応と寄附金の対応を担当していました。打上げ当日は種子島で関係者の視察対応にあたっていたので、打上げが失敗したとわかったときは携わっていた皆さんの悔しさがダイレクトに伝わってきて、私もやりきれなさを感じました。しかし、業務が一段落ついてパソコンを開くと、大勢の方から「諦めずに次も頑張って」「応援しています!」といった応援のメッセージと寄付の通知が数百件も届いていました。こんなにも多くの方々がJAXAを応援してくださっているのだと実感し、今でも思い返すたびに頑張るモチベーションをもらいます。寄付をくださった方々へ、H3ロケットと搭載されていた先進光学衛星「だいち3号」のプロジェクトマネージャからのお礼の手紙を送ることを企画したところ、大きな反響があり、嬉しく思いました。
これまで経験してきた仕事を通じて、JAXAの取り組みへの理解の促進を図ることにもやりがいを感じたので、将来的には広報関連の仕事にも挑戦してみたいです。
CAREER PATHキャリアパス
入構してからこれまでのキャリア
-
1st year
総務部総務課に配属
国会や省庁対応と寄附金の対応を担当した。種子島宇宙センターでロケットの打上げがあるときは、視察に訪れる関係者の調整や現地でのアテンドなども行った。打上げの日程が変わるたびに視察の計画が白紙になってしまい苦労したが、一丸となって取り組む空気感に支えられてこなすことができた。
-
3rd year
有人宇宙技術部門 事業推進部に配属(現職)
協定や契約のための文書作成や法務の観点からのレビューを行う。有人宇宙活動や宇宙探査に関する国際的なルールづくりにも携わっている。
THE OTHER SIDE OF THE MOON私の一面
週末は茶道教室に通っています。もともと茶道は中学と高校の部活でやっていて、社会人になって再開しました。同じ教室の皆さんとお話したり、お点前に精神を集中させたりすることでリフレッシュしています。