月極域探査機プロジェクトの推進、大学との共同研究も

大学時代の専攻は制御工学でした。私が所属している月惑星探査データ解析グループは月、惑星について研究する理学系で、専攻とは異なる分野ですが、探査ミッション立ち上げの目的や根本の理解の助けとなり多くの学びがあります。プロジェクト業務では、専門のエンジニアリングの知識を活かし、ミッション達成にはどのような工学的なチャレンジが必要なのか、いかに効率的に運用スケジュールを立てられるか等のシステム検討に繋がっているので、今の所属との巡り合わせはキャリア形成上強みとなっていると感じます。

私の主な業務は、月極域探査ミッションの着陸地点解析。JAXAの月周回衛星かぐやの観測データやNASAの衛星のデータを用いて、将来の探査ミッションでどこの地点なら安全に着陸が可能かを検討しています。

また、月面のデータを用いた大学との共同研究にも参加しています。大学との共同研究は、大学の先生や学生さんと共にそれぞれの分野の研究ができるので楽しいです。探査機に搭載される観測機器のデータの多くは、誰でも利用できるようにオープンアクセスとなっているのですが、実際に使うとなると、どこからダウンロードしたら良いのか、どう処理して使ったら良いのか、わかりにくいところがあります。そうした使い勝手を改善することも解析グループの重要な役割であり、研究で実データを使えるようにサポートし、共に研究しています。探査データが新たな分野で活用されることにより、探査ミッションの価値が高まることに繋がる為、やりがいを感じます。