落合 美佳

これからの宇宙探査・利用は政府ミッションと民間ビジネスの両輪で進めていく時代

「地球環境」・「宇宙」・「国際協調」の三本柱

小学生のころ宇宙活動に関するドキュメンタリー番組を見たことをきっかけに、宇宙への進出(人類の活動領域の拡大)に関心を持つようになりました。その後、学生時代には、自分たちの住む地球環境の悪化に関心を持ちはじめ、宇宙への挑戦も地上で抱える課題も、一国では如何ともしがたい時代が来ると考えるようになりました。国際協調による解決の観点から、大学では法学部で国際法や国際政治、安全保障を中心に専攻しました。地球環境を把握し住みよい社会にしていくこと、私たちの活動の可能性を拡げる宇宙活動による課題解決、そのための国際的な枠組みという発想でしたね。一方で、宇宙の謎の解明にも興味を持ち続けていました。これらのテーマに関わる仕事をしたいと考え、JAXA(当時はNASDA)に入りました。

“一筋縄ではいかない国際調整”と“アイデアを形に”するプロセス

これまでの仕事で特に印象に残っているのは、社内公募制度によってウィーンにある国際連合の宇宙部(UNOOSA)に3年間派遣されたことです。これは有人宇宙技術と宇宙探査分野の国際協調のために国連が初の人材公募を出したものに志願し、採用後は同じく応募で選定されたドイツや中国からの同僚、国連職員とともに新たなイニシアチブを推進するものでした。JAXAや日本の都合を超え、独立した立ち位置で業務遂行が求められるなか、はじめて国益vs人類益の葛藤といったものも肌身で感じました。日本人・JAXA代表として恥じない仕事をしようとする一方、外から日本やJAXAをみることで、母国や周辺環境の可能性を感じるとともに、課題もいろいろと見えるようになりました。活動範囲を広げ国籍・立場の違う人たちの意見を聞くことで、今は未だ実現できてないものを形にしていきたいという想いが、学生時代のモチベーションとともに更に強まりました。

その後は、国連での経験を活かし、2018年3月に東京で開催された第二回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)の準備室メンバーとして、日本政府が主催する閣僚級会合の開催支援や関連行事の企画準備を行いました。特に、ISEF2の機会を活用して、産業界・若手の宇宙探査への参画の促進を目指したプログラムの企画立案に従事し、宇宙探査事業の未来像について国内外の関係者と議論を深められたことは大変貴重な経験でした。

現在は、2018年7月に発足した国際宇宙探査センターにて、JAXAの研究開発力や有人宇宙技術など、保有する知見と経験等を総動員して国際宇宙探査の本格推進を目指しています。月・火星探査の新たなミッションの立上げに向け、国内外の様々なステークホルダーや協力機関、企業の方々との調整に奔走し、慌しくもエキサイティングな日々を送っています。

チームでゴールを目指す

JAXAには、宇宙航空分野をリードし、日本・世界・人類の発展に貢献する、という大きなゴールがあります。そのため、チームで一つのことを成し遂げようという感覚を味わえる職場だと思います。これからは、宇宙開発も政府と民間事業者の両輪で進め、社会システムとして不可能を可能にしていく時代。それが人類社会の持続的発展のために重要だと思っています。私自身、これからも宇宙開発、地球環境問題、国際協調というテーマに取り組み続けていきたいですね。

JAXAを目指す学生への一言メッセージ

得意なこと、好きなことを大事にしつつ自分は社会や地球のために何ができるのかを考えてみてください。JAXAのポテンシャルを伸ばし、未来を切り拓く仲間とご一緒できたら嬉しいです。

プロフィール

入社後、種子島宇宙センターでLE-7Aエンジン燃焼試験等から開発現場を学ぶ。事務系・若手初のH-IIA打上げ実況放送を担当、最終打上げ手順を頭に叩き込み臨んだ。その後、アジアの宇宙協力プラットフォームであるAPRSAF推進のため各国を行脚し国際イニシアチブ立上げを経験(2008年理事長表彰受賞)。副理事長秘書、有人宇宙環境利用ミッション本部を経て国連宇宙部(在ウィーン)へ派遣(2011-2014)。2016年インドと機関間協定、国連-JAXA協力KiboCUBE立上げを経験。現在は国際宇宙探査の推進に従事。趣味は海・山と写真。和の文化を大切にしたい。三重県出身。

1日の業務の流れ

9:00出社、メールとその日の予定の確認、資料の調整
10:00週例ミーティング、メンバーと業務進捗・課題を共有
11:00チーム内でブレスト
12:15昼食
13:30協賛企業との打合せ(都内)
15:30関係省庁との打合せ(霞が関)
17:00欧州の宇宙機関とテレコン
18:00退社

※所属部署・掲載内容は取材当時による

部門紹介 国際宇宙探査センター

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