若月 孝夫

自分の興味・関心・好奇心を いつまでも惹きつける「宇宙」を仕事に

とことん頭を使って自分を高められる仕事がしたかった

大学院修士課程では、金属や半導体の結晶成長過程を実験や解析で追究し、太陽電池や二次電池のエネルギー効率を高める研究をしていました。修士1年生のとき、博士課程に進むか就職するかで悩み、「一つの分野を掘り下げるスペシャリストより、事業やプロジェクトを自ら企画し主体的に物事を動かしたい、仕事を通じて自分を高められる仕事がしたい」と考え、JAXAへの入社を決めました。数十年にも亘る社会人生活を全力疾走しつづけるには、その仕事への興味・関心・好奇心が欠かせません。JAXAなら、自分をいつまでも惹きつけるはずだと考えました。

入社後は、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の搭載装置の開発、ISSに物資を輸送する補給機への機器搭載インテグレーションを担当するとともに、運用管制官として「きぼう」で行われる科学実験や利用ミッションを統括しました。

その後、経営推進部に異動し、JAXAの経営戦略の企画立案、業務運営の基本方針・計画の策定などを担当しました。入社9年目からは国家公務員として中央官庁に出向し、安全保障政策や科学技術政策の立案、予算・計画管理、国会・省庁間の調整などを担いました。出向時代は、政府官僚として記録にも記憶にも残る大きな仕事を成し遂げたと自負しています。

プロジェクトを成功に導く仕事

現在は、2017年10月に発足した「新型宇宙ステーション補給機プロジェクトチーム」に所属して、プロジェクトマネジメントと機体システム開発全般において、プロジェクトマネージャやサブマネージャを総括的に補佐する役割を担っています。新型補給機(HTV-X)開発ミッションは、現在の日本の宇宙開発ではH3ロケットの開発に次ぐ大規模なもので、衛星や探査機などの宇宙機の開発としては最大の規模です。私たちプロジェクトチームの役割は、パートナーであるNASA、政府関係者、国内外の関係機関や企業、搭載物資のオーナーや技術実証ミッションのユーザー、JAXA内の専門家など、さまざまな人たちを巻き込んで、プロジェクトを成功に導くことです。

HTV-Xの開発は目的ではなく、あくまでもミッション達成のための手段です。宇宙ステーション計画を効果的・効率的に進め、成果の最大化に貢献するとともに、HTV-Xの開発により次の将来ミッションが立ち上がり、優れた技術を獲得・継承し、日本のプレゼンスを高めていくことが我々の使命だと思っています。

JAXAがどうあるべきかを見据え、先陣を切って仕事をしたい

「宇宙」というと壮大なイメージが先行して、職場も近未来的なのでは、と思われがちですが、普通の会社と同様に、オフィスでパソコンを使った作業が多く、想像よりも地味かもしれません。ですが、実際の製造現場で宇宙機を見たり、運用管制の現場を見れば、自分の仕事が宇宙と繋がっていると実感し、感動するものです。

また、オフィスは地味でも、きっとJAXA職員は若々しく、活き活きしていると感じるでしょう。それは、興味・関心・好奇心を惹きつける仕事に熱い想いを注いでいるからだと思います。

仕事は山ほどあります。私自身、入社以来貪欲に仕事に取り組み、視野を広げ絶えずステップアップすることを心がけ、貴重な業務経験を重ねてきました。これからは、現在大きな変革期にある宇宙開発の将来を見据えて、日本の科学技術や宇宙開発、そしてJAXAがどうあるべきかを考え、先陣を切って仕事に取り組んでいきたいと思います。

JAXAを目指す学生への一言メッセージ

社会人生活は30~40年ととても長いものです。その間、皆さんが前進しつづけられると思える仕事をぜひ見つけてほしいです。仕事を通じて新たに学び、成長していきたいという心掛けがもっとも大事だと思います。

プロフィール

大学院エネルギー科学研究科修了後、2006年入社。「きぼう」搭載装置の開発、運用管制官、スペースシャトルや「こうのとり」等補給機への機器搭載インテグレーションを担当した後、経営推進部と役所出向で政策・経営戦略立案、予算・計画管理、国会・省庁間調整等の管理業務を担当。現在は、念願の新規大型国際プロジェクトを推進中。最近の趣味は庭いじり。たっぷりの夏・秋野菜を収穫。静岡県生まれの大阪府育ち。

1日の業務の流れ

08:00NASA要求に対するJAXA設計方針に関するNASAとの電話会議
10:00メール処理、プロジェクトの実施方針に関する社内会議
12:15昼食
13:00出張(メーカとの開発計画に関する打合せ、工場での試験立会いなど)
17:00メール処理、出張報告作成、明日の打合せに向けた資料作成
19:00退社

※所属部署・掲載内容は取材当時による

部門紹介 有人宇宙技術部門

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