和田 大地

今はまだない、「未来の航空機」を実現したい

学生時代に経験したJAXAとの共同研究

博士課程の頃、JAXAの方々と一緒に光ファイバーセンサーを使った構造物のモニタリングや構造解析の研究をしていたことをきっかけに、JAXAを就職先の一つとして意識するようになりました。

JAXA入社後半年間は、研修期間として有人宇宙技術部門(筑波)で国際宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」に搭載する小型回収カプセルを開発するプロジェクトチームに入りました。私にとっては異分野だったので学ぶことが多く、刺激的な日々で、あっという間の半年間でした。チームのメンバーの方から「今夜、国際宇宙ステーションがこの上を通るから見てごらん」と言われ、夜空を見上げたときには、自分も宇宙に関わる職場にいるのだな、と改めて実感しました。以後、航空技術部門(調布)に配属され、もともとの専門領域であった構造モニタリングの研究に励んでいます。

世界最高水準のセンシング技術を実証

現在の研究として、2016〜2017年に、JAXAの実験用航空機「飛翔」を使用し、光ファイバーセンサーを使った構造モニタリングの飛行実証試験を行いました。飛翔の胴体や翼に髪の毛のように細い光ファイバーを貼りつけ、飛行中に機体がどのように変形しているか、機体にどのくらいの負荷がかかっているかなどをモニタリングする研究です。2017年度の飛行実験が終わり、データの取得に成功しました。これからデータの解析にかかろうというところです。飛翔のような中型ジェット機の飛行中の変形をリアルタイムで観測したデータは世界的にも非常に貴重で、JAXAのセンシング技術が世界最高水準にあることを実証できたのではないかと思います

将来技術を自ら提案して研究するやりがい

私が所属する航空技術部門では、上司からの指示を待つのではなく、自分なりに課題を分析し、どういう研究をすべきか考え、そのための知識や技能を自ら獲得していく人材が必要とされます。ある程度の裁量が個人にあり、主体性を発揮しやすい環境です。私自身、これまで研究してきた構造モニタリング技術とJAXA内で培われてきた異分野の研究を融合し、将来技術を提案しています。そのように主体的に研究に取り組むことがやりがいとなっています。

研究には、自己表現の一面があると思っています。アイデアに具体的な形と構成を与えて技術を創ってみた結果、思いどおりの絵を描けたときの気持ち良さを味わえることがあります。そして同時に、研究を将来の社会貢献につなげていく視点も必要です。それは難しさでもあり、一層の楽しさでもあります。

まずは現在研究中の技術を航空機に活かし、数十年後に活躍する未来の航空機を実現したいですね。宇宙機や橋や建物などの構造物にも応用できる技術ですので、用途を広げていければとも思っています。

JAXAを目指す学生への一言メッセージ

宇宙分野でも航空分野でも、今ある問題を解決することが必要ですが、今ないコト・モノを作っていくことも大切です。新しいアイデアに前向きに取り組み、建設的な姿勢をもって一緒に働いていくことを楽しみにしています。

プロフィール

大学院工学系研究科博士課程を修了し、2年間のポスドク後、2015年にJAXA入社。有人宇宙技術部門での半年間の研修を経て、2015年10月より現職。構造、材料、光、機械学習、制御など、様々な分野の研究に触れるのが好き。趣味は学生時代からテニス・水泳・読書。週に一度のテニススクールと毎朝の読書が生活の回転軸。東京都出身。

1日の業務の流れ

09:30出社、メール確認
10:00論文執筆
11:00連携する大学・メーカーと打合せ
12:15昼休み
13:00チーム内ミーティング
14:00実験室で実験
16:00居室で解析・プログラミング
18:00退社

※所属部署・掲載内容は取材当時による

部門紹介 航空宇宙技術部門

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