小野 哲也

「使えるロケット」イプシロンで宇宙輸送システムを革新する

宇宙・航空の発展に大きな可能性を感じた

高専4年生のときインターンシップで「面白そう」と思ってJAXAにエントリーしたのが、現在の仕事を目指すようになったきっかけです。インターンシップでは、国際宇宙ステーション(ISS)で使用する装置の基礎実験を行っている部署に一週間ほどお世話になりました。自分の目の前にある装置が将来ISSで稼働するのかと思うと 、それまで遠い存在だと考えていた宇宙開発が急に現実的に感じたのと同時に感動したのを覚えています。

宇宙は今私たちがいる地球とはまったく違った空間ですし、宇宙を自ら目指し、行くことができるのは人間だけです。今後の宇宙・航空の発展に大きな可能性を感じ、JAXAで働きたいという意欲が強くなりました。

イプシロンの打上げ成功に涙

入社後最初に配属されたのは種子島宇宙センターで、そこではロケット打上げ設備の維持・運用作業を担当していました。まさに「打上げ現場の最前線」だったので、設備の保守点検・運用業者の他にロケットメーカーの技術者・作業者からも様々な領域の知識や知見を教わりました。

ロケットの打上げは技術的・経済的に敷居が高いと思われています。その敷居を下げて、高頻度に人工衛星や探査機を打上げられるように宇宙輸送システムを革新しようというのが、イプシロンロケットのひとつの目的です。2013年9月のイプシロンロケット試験機打上げのときは、機体の組立てと発射装置の担当をしていました。打上げに至るまで日々大変なことがありましたが、打上げが成功したときは本当に涙が出ましたね。数時間前まで目の前にあったロケットが、一瞬にして射場から姿を消すとき、何ともいえない感動があります。

現在はロケット実機の製造から工場出荷、射場への輸送、射場での整備、打上げなど運用全般を軸として、プロジェクトの全体を担当しています。その中には資金やスケジュールの管理なども含まれています。ロケットの運用を大局的な視点から捉えなければならないので、まさに今勉強中ですが、毎日楽しいです。

社会、人類、未来に役立つ仕事

私たちの仕事は、社会、人類、未来に役立つことを常に考えるべきと自覚しています。JAXAの活動の成果をJAXA以外の方々に使ってもらうことに大きな意味があるのです。イプシロンロケットの場合、人工衛星や探査機を打ち上げたいと思っているユーザーの方々に、3号機までの実証・実績をみてもらい「イプシロンは使える」と判断してもらえるかどうか、今がまさに正念場です。

JAXAの仕事は、決められたことを淡々とこなしていく「待ち」の姿勢ではなく、自らの考えと意思に基づく積極的な「攻め」の姿勢があれば、年齢に依らず担当者の裁量である程度自由に動ける部分があります。私も新型ロケットシステム開発のパイオニアワークに携わるエンジニアとして、何か新しいことをやり遂げたいと、夢見ています。

JAXAを目指す学生への一言メッセージ

宇宙航空の研究開発には、JAXA・メーカー・大学などそれぞれの役割があります。 自分はこの分野でどう携わりたいか、じっくりイメージしてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

2007年、高専卒業後JAXA入社。種子島宇宙センターでのH-IIA/H-IIB射点系設備運用・保全業務を3年半担当した後、2010年現部署へ異動。イプシロンロケットシステムの発射装置等の設備開発や射場運用、現在はプロジェクト・システムを担当。趣味は出かけること。大阪府出身。

1日の業務の流れ

09:00出社、メールチェック
09:30打合せ書類の作成
11:00ロケットメーカーとの調整
12:15昼休み
13:00プロジェクトメンバーと打合せ
15:30資金やスケジュールに関する検討
19:00退社

※所属部署・掲載内容は取材当時による

部門紹介 第一宇宙技術部門

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