中野 優理香

これまでの運用や開発で得られた経験を活かし、いつの日か宇宙へ行きたい

小学2年生から一直線

父の転勤で6歳のときから5年間アメリカで過ごしました。小学2年生のとき、理科の授業で好きな惑星について調べるという課題があり、私は火星に決めました。そのときに「火星に行ってみたい」と思い、宇宙飛行士に憧れてから現在まで一直線ですね。小学4年生のときアメリカ航空宇宙局(NASA)の子供向けキャンプ(スペースキャンプ)に参加したのですが、あまりにも楽しくて、翌年の帰国後にも夏休みを使って一人で渡米し、参加したほどです。

JAXAを目指したのは、当時、国際宇宙ステーション(ISS)の運用継続が2020年とされていて、国際協力をしながら巨大プロジェクトを進めるチームの一員になるには最後のチャンスだと思ったからです。大学院への進学も迷いましたが、修士課程の2年間よりもJAXAで学ぶ2年間のほうが実りが大きいと考え、「当たって砕けろ」精神で受けました。

フライトディレクターとして大西ミッションを支える

入社後は有人宇宙探査に関する仕事をしたかったのですが、現状の運用について知らなければ戦力になれないと思い、ISSの日本実験棟「きぼう」の運用管制の仕事を希望しました。

ISSのモジュールは世界中の参加機関がそれぞれ運用をしています。「きぼう」の運用は筑波宇宙センターの管制室で行っていますが、宇宙飛行士のスケジュールは起きてから寝るまで5分刻みで決められていて、管制室も365日・1日24時間体制で運用しています。管制室は3つのシフトに分けて運用しており、「宇宙飛行士が生活する為の空気流量は足りているか」や「ISS内の電力は十分か」などの確認・指示を出しています。この「きぼう」運用管制チームをまとめるのが、フライトディレクターの仕事です。

大西卓也宇宙飛行士がISSに滞在した際(2016年7月~10月)には、インクリメント48担当フライトディレクターとして長期滞在の前半にあたる第48次滞在の計画調整・実験ミッションの運用準備を取り纏め、ミッションを支えました。マウスを飼育するミッションではさまざまな不具合が発生しましたが、大西宇宙飛行士と運用管制官の意見をできるかぎり取り入れ、他国の宇宙機関とも交渉しながら、着実に実験を遂行することができました。

次はHTVフライトディレクターとしてミッションに貢献

現在の目標は、宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」の運用を取りまとめるHTVフライトディレクターとしてこうのとりのミッションに貢献することです。先日、訓練を終え、フライトディレクタの認定試験に合格しました。これからはHTV 7号機のミッションに貢献したいですし、HTVの後継機である輸送機「HTV-X」の開発にも力を入れていきたいですね。

これから人類が地球上に留まれなくなる時代はきっと来ると思います。そのときに、今の仕事をしていてよかった、と思う時が必ずあると信じて、日々の業務に励んでいます。

JAXAを目指す学生への一言メッセージ

「人生を左右する決断」のタイミングはたくさんあります。ひとつひとつの決断を大切にして、後で振り返った時に「あの時にあの決断ができてよかった」と思えるように、たくさん悩んで、たくさん考えてみてください。

プロフィール

理工学部機械工学科卒業、2012年入社。「きぼう」日本実験棟 運用管制官の排熱・環境制御を担当する熱環境制御グループを経て、JAXAフライトディレクタの認定を取得。インクリメント48担当フライトディレクタとして大西卓哉宇宙飛行士ミッションの前半にあたる第48次滞在の計画調整・実験ミッションの運用準備を統括。2017年「こうのとり」フライトディレクタの認定試験にも合格。座右の銘は「攻めの姿勢」。栃木県宇都宮市出身。得意料理は餃子。

1日の業務の流れ

07:30出社。メール、担当シフトのタイムライン確認
08:00シフトハンドオーバー(前シフト→自分)、シフト開始
-計画された実験の実行
-ロボットアームの駆動タスク実行
-次シフトから翌週までのタイムライン確認・承認
-次シフトで起きてくる宇宙飛行士のタスク準備・最終確認
16:00シフトハンドオーバー(自分→次シフト)、シフト完了
17:00会議
19:00退社

※所属部署・掲載内容は取材当時による

部門紹介 有人宇宙技術部門

ページ先頭へ