長谷川 晃子

コミュニケーションの壁を乗り越え大好きな宇宙に関わる仕事に就いて大きなやりがいを感じています

プログラマーからJAXAへ

5歳のとき、生まれつき両耳が不自由(107db)だった私に、両親が「月」という言葉を教えてくれました。そのとき私が関心を示したのをきっかけに、プラネタリウムや天文台など、色々なところに連れて行ってくれました。

その影響あってか、小さいころから宇宙が好きで、宇宙に関わる仕事に役立つかもしれないと思って短大で情報工学を専攻し、コンピュータプログラミングを学びました。卒業後は民間企業でプログラム開発の難しさを痛感し、「宇宙の仕事は遠い夢」と半ば諦めていましたが、たまたまJAXAで採用があることを知り、一念発起して応募しました。最終面接で「宇宙のどこに魅かれていますか?」と質問され、専門知識はありませんでしたが、熱意を持って語ったことを覚えています。

科学衛星・探査機の運用スケジュールの調整

現在は「はやぶさ2」「あかつき」「ひさき」など科学衛星・探査機の運用スケジュール計画を主に担当しています。これまでで1番大変だったのは、2010年小惑星探査機「はやぶさ」の帰還と金星探査機「あかつき」小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」の同時打上げの時期が重なったときです。それぞれのチームから、日本に1つしかない臼田宇宙空間観測所の64メートルアンテナをほぼ同じ時間帯で使用したいとの希望がでてしまったのです。最終的には優先順位を決め、海外局のアンテナをお借りするなどして無事に運用調整を行うことができましたが、このときはみんなで「どうすればいいのだろう?」と考え、問題解決にあたったことで、難しい場面を乗り越えられたのだと思います。

私は相手の唇の動きを読み、自分で発声することで会話ができますが、多くの人が参加する会議では全てを理解することは困難です。それにより入社当初はコミュニケーションの難しさに悩むこともありましたが、現在では、自分のパソコン上でグループチャット機能を使用することができるようになったので、会議での内容も少しずつ把握できるようになりました。急な相談も、電話の代わりにチャットで声をかけてもらうことで対応可能となったので、出来る範囲が広がり、仕事にとてもやりがいを感じています。

宇宙から地球を眺めてみたい

これまでは目の前に仕事に必死に取り組んできましたが、これからはまだ経験したことのない衛星プロジェクトに関わっていきたいと考えています。地上系システム側の考え方、衛星開発側の考え方の両方がわかれば、仕事の守備範囲が一層拡大するのではないかと思っています。

また近い将来、宇宙旅行が一般的になったら、「必ず行く」と心に決めています。子どもの頃から大好きだった宇宙に行って、宇宙空間から蒼い地球を眺めてみたいですね。

JAXAを目指す学生への一言メッセージ

宇宙に関する専門知識ではなく、自分が得意とするものを突き詰め、強みにしてほしいと思います。
大切なのは「諦めない心」と、他人の意見を受け入れることのできる「柔軟な器」かなと思います。

プロフィール

2003年情報工学専攻を卒業後、プログラマーとして民間企業で4年勤務したのちJAXAに入社。運用スケジュール調整のプログラム開発をはじめとする、科学衛星・探査機の運用調整、伝送系システム、ネットワーク管理などを担当。その他、耳が不自由な人たちに向けた手話講演、手話案内ツアーも時々開催。趣味は、JAZZダンス、卓球、世界遺産巡りの旅。

1日の業務の流れ

09:30出社、メールチェック
10:00資料作成、事務作業など
12:15昼休み
13:30運用スケジュール調整会議
15:00伝送系システム定例会
17:00メールチェック、明日の準備
18:00退社

※所属部署・掲載内容は取材当時による

部門紹介 宇宙科学研究所

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